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「何というわからずやだ、この世間知らずが!」

​「それがわかるようにしようっていうのよ、トルヴァル。」

とりあえずやってみて、無理だったら考える派ですか?

それとも、やりたいことがでてきたらそのために、綿密に準備をする派ですか?

 

私は間違いなく前者だ。なぜ駄目なんだろうな...。これは、イプセンの「人形の家」。生活に嫌気がさしたノーラ夫人が家出をする話。トルヴァルは、夫。ノーラは何の考えもなしに家を出ていこうとしている。もちろん住む場所も決まっていないし、お金だってそんなにないだろう。しかし、今の生活が嫌だから、何かを変えたいから、とりあえず”動く”、のだ。人形の家では、このノーラの未来は描かれていない。

「家出のすすめ」という寺山修司の本で、人形の家のノーラは、行く先がなくて例え娼婦になったとしてもそれはそれでいいのではないかと、書いている。私もそれはそれで、アリなのではないか、と思う。もし、ノーラがずっと我慢して生きていくよりも、自分のやりたいことをやってしまった方がいいのではないかなと。確かに、世間知らずなのかもしれない。考えが甘いのかもしれない。けれど、とにかく動かなければ始まらないんですよ。​

(2016.07.21)

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